- SPOTLIGHTはどんなMCバトル?
- 特徴やルールを知りたい
- ENTERとの違いは?
「SPOTLIGHT(スポットライト)」は、日本を代表するMCバトルイベント(大会)の一つです。大阪を拠点とするHIPHOPクルー『韻踏合組合』が主催しています。また、SPOTLIGHTと同様、韻踏合組合が主催する「ENTER(エンター)」というMCバトルもあります。
この記事では、SPOTLIGHTの特徴やルール、ENTERとの違いについて徹底解説します。SPOTLIGHTには他のMCバトルにはない魅力が多いので、気になる人はチェックしてください。
SPOTLIGHTとは韻踏合組合が主催するMCバトル
SPOTLIGHTとは、韻踏合組合が主催するMCバトルイベント(大会)です。2008年頃から始まった歴史のあるMCバトルであり、現在もHIPHOP界を盛り上げるイベントとして非常に人気があります。
優勝者にはMCバトルの日本一を決める大会である「KOK」への出場権が与えられることもあります。また、過去最大級のバトルイベント「BATTLE SUMMIT」の主催団体の一つでもあります。SPOTLIGHTは、日本を代表する主要MCバトル団体の一組です。
主催者は韻踏合組合
SPOTLIGHTの主催は、大阪を拠点とするHIPHOPクルー「韻踏合組合」です。クルーは以下の6名のメンバーで構成されています。
- SATUSSY(ラッパー)
- HIDADDY(ラッパー)
- ERONE(ラッパー)
- 遊戯(ラッパー)
- DJ KITADA KEN(DJ)
- DJ KAN(DJ)
韻踏合組合のリーダーであるSATUSSYが、バトルの司会と進行を務めます。メンバーのHIDADDYやERONEは、MCとしてバトルに出場することも多く、スキルの高いラッパーです。
ENTERとは
SPOTLIGHTと同様、韻踏合組合が主催するMCバトルに「ENTER」があります。ENTERは、SPOTLIGHTと兄弟のようなMCバトルイベントであり、実はSPOTLIGHTよりも前に誕生しました。
ENTERは大阪のアメ村付近で開催されることがほとんどで、誰でも出場することが可能です。ある程度知名度のあるMCも出場することが多く、大阪の若手ラッパーたちの登竜門的な立ち位置になっています。
過去には、R-指定やふぁんく、Pekoなど、梅田サイファーのメンバーもENTERに何度も出場したことがあります。今では有名なCIMAやミステリオ、ミメイなどもENTERから名を広げてきました。
SPOTLIGHTとENTERの違い
SPOTLIGHTとENTERの違いは、出場MCの知名度とレベルです。ENTERは誰でも出場できるのに対し、SPOTLIGHTは主催者のブッキングによる有名ラッパーや、ENTERで入賞(上位3名)したMCだけが出場できます。
注目度や会場にも違いがあります。ENTERは数百人程度の小さなクラブやライブハウスで行われますが、SPOTLIGHTは全国のZeppホールやCLUB CITTAなど、収容客数が1,000人以上の会場で行われます。
SPOTLIGHTの特徴
MCバトルはオーガナイザー(主催者)や大会の趣旨などによって、特徴やルールが異なります。SPOTLIGHTは歴史のあるMCバトルであり、他とは違う独自の特徴も存在します。
SPOTLIGHTの主な特徴は以下のとおりです。
- 出場者のレベルが高い
- 客層が良い
- HIPHOPサウンドクラッシュが行われる
- 年2回のみ開催される(年中旬と年末)
出場MCのレベルが高い
SPOTLIGHTの出場MCは、主催者のブッキングとENTERの勝ち上がりによるメンバーだけです。ブッキングされるMCやラッパーも実力者のみで、いわゆるエンタメ系やネタ枠と呼ばれるMCは出場しません。
年末に大阪で行われるSPOTLIGHTで優勝すると、日本一を決めるMCバトル「KING OF KINGS」への出場権が得られるので、出場MCの本気度も違います。
客層が良い
SPOTLIGHTはヒップホップ文化が盛んな大阪のアメ村を拠点とし、MCバトルも大阪で開催されることが多いです。客層はガチのヒップホップ好きやMCバトル好きの人ばかりなので、MCから良いバースやパンチラインが放たれたときの歓声も大きいです。
「関西の客が多いのであれば関西のMCが有利なのではないか」と感じる人もいるかもしれませんが、判定はむしろ他のMCバトルよりも公平だと感じます。客層は「ガチのバトルヘッズ」が多いので、きちんとバトルの内容やラップのスキルを見ています。他のMCバトルにありがちな、人気投票のような判定は少ない傾向にあります。
HIPHOPサウンドクラッシュが行われる
SPOTLIGHTではMCバトルが始まる前に、HIPHOPのサウンドクラッシュが行われます。これは他のMCバトルにはないSPOTLIGHTだけの特徴です。
DJが流す曲はDub(ダブ)と呼ばれ、そのDJしか持っていないオリジナルのDubを流すことで現場は盛り上がります。Dubは事前にラッパーやアーティストに録音してもらい、リリック(歌詞)をクラッシュ用に変えています。当日用のDubを用意しているDJも多く、MCバトルとは違うおもしろさがあるのでぜひチェックしてみてください。
年2回のみ開催される(年中旬と年末)
SPOTLIGHTの最近の傾向としては、年中旬(6〜7月)と年末の2回のみの開催となっています。年中旬の大会では「関東編」として、関東でMCバトルが行われます。年末の大会は大阪で開催され、優勝者がKOKへの出場権を得られる場合が多いです。
会場などは年によって変わりますが、2024年の年末の大会では「クリエイティブセンター大阪」という初めての場所での開催となります。
SPOTLIGHTのルール
SPOTLIGHTのルールは基本的に他のMCバトルと同じです。シンプルなルールにハイレベルなバトルが繰り広げられるのが魅力です。
小節とビート
SPOTLIGHTの小節数は以下のとおりです。
- 1〜3回戦:8小節×3ターン
- 決勝:8小節×4ターン
大会によって多少変わる場合もありますが、小節は8小節のみで16小節はありません。バトルビートは2人のDJから交互に流されるのが一般的です。決勝のみ、2本のビートからの選択制となり、小節も8小節×4ターンになります。
勝敗は観客判定
SPOTLIGHTの勝敗判定は「オール観客判定」です。バトル終了後、司会者が両者のMCの名前を交互に言うので、勝ったと思うMCに観客が歓声と手を挙げます。歓声と手が多かったほうが勝利です。
勝敗は司会者の判断で決まり、歓声と手が同じくらいの場合は延長に進みます。延長の場合は先攻と後攻が入れ替わり、ビートも変わります。
SPOTLIGHTが開催される会場
SPOTLIGHTが開催される会場はさまざまですが、一般的に収容客数が1,000〜2,000人程度の中規模会場で行われることが多いです。過去には、主に以下の会場で開催されたことがあります。
- Spotify O-EAST
- Zepp Osaka Bayside
- CLUB CITTA’
- クリエイティブセンター大阪
ちなみにENTERは、大阪の長堀橋にあるCOMPASSというライブハウスで開催されることが多いです。
SPOTLIGHTの歴代の結果
SPOTLIGHTは2008年頃から始まり、数々のベストバウトと優勝者を生み出してきました。歴代の優勝者は以下のとおりです。
イベント名 | 優勝者 (準優勝者) | 日程 |
---|---|---|
SPOTLIGHT 2008 | 悠然 | 2008 |
SPOTLIGHT 2009 | R-指定 (ERONE) | 2009/10/25 |
SPOTLIGHT 2010 | peko (ERONE) | 2010/12/23 |
SPOTLIGHT 2011 | R-指定 (KBD) | 2011/12 |
SPOTLIGHT 2012 | SURRY (CIMA) | 2012/12/23 |
SPOTLIGHT 2013 | CIMA (ふぁんく) | 2013/12 |
SPOTLIGHT 2014 | R-指定 (BIG MOOLA) | 2014 |
SPOTLIGHT 2015 | 呂布カルマ (KBD) | 2015/12/3 |
SPOTLIGHT 2016 | 裂固 (キョンス) | 2016/12/3 |
SPOTLIGHT 2017 | MOL53 (裂固) | 2017/12/3 |
SPOTLIGHT 2018 | 呂布カルマ (RAWAXXX) | 2018/11/25 |
SPOTLIGHT 2019 | Authority (CIMA) | 2019/12/1 |
SPOTLIGHT 2020 | 輪入道 (漢 a.k.a GAMI) | 2020/12/13 |
SPOTLIGHT 2021 | MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻 (SILENT KILLA JOINT) | 2021/12/4 |
SPOTLIGHT 2022 関東編 | 輪入道 (S-kaine) | 2022/7/1 |
SPOTLIGHT 2022 | MOL53 (CIMA) | 2022/12/4 |
SPOTLIGHT 2023 関東編 | 輪入道 (CHICO CARLITO) | 2023/6/9 |
SPOTLIGHT 2023 大阪編 – BATTLE SUMMIT Zepp Tour | MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻 (呂布カルマ) | 2023/11/23 |
SPOTLIGHT 2024 – 関東編 | 裂固 (CIMA) | 2024/4/29 |
SPOTLIGHT 2024 – 大阪編 | <予定> | 2024/12/14 |
まとめ:SPOTLIGHTのバトルはハイレベル
SPOTLIGHTは韻踏合組合が主催するMCバトルイベントです。主催者のブッキングとENTERからの勝ち上がりによるMCばかりの大会なので、ベストバウトも生まれやすいです。いわゆるエンタメ系やネタ枠と呼ばれるMCが呼ばれないのも魅力です。
ルールはシンプルですが客室も非常に良いので、他のMCバトルよりも歓声や盛り上がりが大きい傾向にあります。ガチのヒップホップ好きMCバトル好きが多いので、初心者が初めて現地でMCバトルを観に行くという場合には向いていないかもしれません。
SPOTLIGHTはヒップホップやMCバトルが好きであれば、必ず楽しめるイベントなので、ぜひ現地に観戦しに行ってみてください。
コメント
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