最近ではバックDJの代わりにバンド演奏のMCバトル(真ADRENALINEなど)も開催されており、レゲエDeeJayを中心にバンドを操ってバトルをするMCも増えてきましたよね。
バンドに指示を出し演奏に変化をつけることで、リズムやグルーヴを強調したり、高い音楽性を生み出すことができるので、お客さんへのインパクトや盛り上がりの要素になります。
そこで今回は、MCバトルでのバンドの操り方や、よく使われるバンドへの指示や合図にはどんな種類があるのかを解説していきます。普段バトルを見ていてMCが何と言ってバンドを操っているのか、どのように演奏が変化するのかが気になっている人の参考になれば嬉しいです。
歌い手がバンドやバックDJを操るのは元々はレゲエの文化であり、レゲエのDeeJay(歌い手)がライブやラバダブ中に、様々な指示や合図を使って音楽に変化をつけます。他ジャンルの音楽では決まったトラック(リズム)に合わせて歌うことが普通ですが、レゲエでは毎回違ったリディムに様々なアーティストが自由に歌うラバダブのスタイルがあり、お客さんのテンションやその場の雰囲気を見てバンドやDJを操ることができる、他ジャンルにはないレゲエ独特の文化です。
バンドの操り方
MCバトルにおいて、バンドの操り方はシンプルです。
それぞれのMCが自分のバース中や相手バースの終わり際にバンドに指示や合図を出すことで、自由に演奏のリズムや音の大きさに変化をつけることができます。
バンドへの指示や合図には様々な種類があり、変化させてほしい演奏の仕方や音の大きさを、バンドに向かって言葉で伝えたり、手の仕草で合図を送ることもあります。
ではバンドを操る指示にはどのような種類があるのか、どのように演奏が変化するのかを見ていきます。
バンドへの指示・合図の種類
MCバトルでは主に以下の4種類のバンド操作が使われます。
- ワンドロップ(One Drop)
- ロウ(Low)
- ミックス(Mix)
- プロップ(Pull Up)
ワンドロップ(One Drop)
ワンドロップは、MCバトルにおいて最も多く使われるバンド操作です。
これによりバース中の1拍のみがバスドラムによって強調されるようになるので、バースに抑揚がつきリリックを伝えやすくなります。MCバトルでは最初の4小節をワンドロップし、次の4小節を通常の演奏にすることでグルーヴを強調し、観客を盛り上げることができます。
人差し指を一本立ててバンドに見せるような合図がよく使われ、音の強調に合わせて指を振り下ろす仕草が多い。
レゲエではOne Trak(ワントラック)と呼ばれることもあります。
言葉では説明しづらいので、実際に映像で見ていきます。
ワンドロップが使われたバトル
第1回目の「渋谷レゲエ祭vs真ADRENALINE」のRAYvsMAKA戦において、RAYが3バース目にワンドロップを使っています。MAKAのバースの終わり際にRAYがバンドに指示しているのがわかりますね。
最近ではレゲエDeeJay以外にもワンドロップを使うラッパーが増えてきており、下記動画ではワンドロップが使用されたシーンがまとめられてるので、ぜひチェックしてみてください。
初めてワンドロップが使われたバトル
2021年に開催された「KING OF KINGS vs 真 ADRENALINE #2」において、HIDADDYによって初めてMCバトルでワンドロップが使用されました。
HIDADDYはラッパーですが、レゲエのライブやイベントに出演することも多いのでバンドの操り方もよく知っているようですね。
ロウ(Low)
ロウは(Low)は、「音のボリュームを下げて」という指示です。
リリックをお客さんにしっかりと伝えたい時や、何か言葉を喋りたい時に使用されることが多く、ラバダブやライブではロウから徐々にボリュームを上げていくことで抑揚をつけ、現場を沸かせるという歌い方がよく見られます。
Level(レベル)やTake it down(テイクイットダウン)と言うこともあります。
ロウが使われたバトル
2023年の「渋谷レゲエ祭 vs 真ADRENALINE」のCHEHON vs POWER WAVEにおいて、CHEHONが4バース目の直前にロウを使い音を小さくすることで、POWER WAVEにしっかりと自分の聞かせたい言葉を伝えやすくしているのがわかります。
「KING OF KINGS vs 真 ADRENALINE #4」のRAY vs Rude-αにおいて、RAYは2、3バース目の前半4小節をロウでボリュームを下げていますよね。
言葉では指示していませんが、手でバンドに音量を下げるように合図しているのがわかります。
ミックス(Mix)
ミックスは、MCバトルではあまり使われませんが、レゲエDeeJayがライブやラバダブでよく使います。
バスドラムのキックを激しく当ててミックスすることで音を激しく鳴らし、演奏に迫力が増すので、お客さんを最高潮に盛り上げる際に使います。サビの前に使用されることが多く、ワンドロップやロウの後に繋げることでオーディエンスを沸かせることが多いです。
ミックスが使われたバトル
2023年の渋谷レゲエ祭 vs 真ADRENALINEのCHEHON vs RAYにおいて、
CHEHONが1ターン目(レゲエルール)、韻波句徒のサビ直前にミックスを使い、現場を鬼ボスさせました。
このバトルはレゲエ同士の戦いということもあり、お互いにワンドロップやロウも上手く使い、バンドの操り方はさすがでしたね。
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プロップ(Pull Up)
プロップは「針を上げる」=「音楽を止めて」という意味です。
レゲエでは「音楽をかけ直して」という指示になり、ミックスで現場が最高潮に盛り上がった時にプロップを使い、最初からRiddimが流されることが多いです。
Ease Off(イーザオフ)と呼ばれることもあります。
プロップが使われたバトル
渋谷レゲエ祭vs真ADRENALINEのMU-TON vs 寿君において、
お互いが最後のバースで「プーロー(プロップ)」と言って音楽をかけ直しています。
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レゲエのDeeJayクラッシュ
DeeJayクラッシュとは、2人のDeeJayがお互いに持ち歌やネタを仕込み、バンドを操りながら相手を攻撃し合うレゲエのバトルです。
ヒップホップのMCバトルでは8小節(または16小節)内での戦いなので、前後半どちらかの4小節をワンドロップで変化させるだけのシンプルなバンド操作が多いですが、クラッシュは小節の縛りがなく交代のタイミングもその場の雰囲気で自由にされるので、より高度なバンド操作が行われます。
クラッシュでは今回紹介したバンド操作以外にも様々な指示や合図があり、それに伴いバンドの演奏も変化するので、より高いグルーヴ感や音楽性が重視されます。
DeeJayクラッシュについては下記で詳しく解説しました。
まとめ
今回は、MCバトルでのバンドの操り方と、よく使われるバンドへの指示や合図の種類を解説しました。
やはりバンドの操り方が上手いのはレゲエDeeJayが多いですね。しかし最近ではヒップホップのラッパーでも、ワンドロップなどの簡単なバンド操作は使えるMCが増えてきているので、バンド演奏でのバトルではグルーヴ感や音楽性を見せられるラッパーが強くなるのではないでしょうか。
また、MCの指示に瞬時に合わせ、演奏を変化させるバンドも凄いですよね。
MCバトルでは「DA-Dee-MIX」というバンドが演奏されており、めちゃくちゃ技術力の高いバンドです。様々なラッパーとコラボしたり楽曲を発表しているので、ぜひチェックしてみてください。
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