¥ellow Bucks(イエローバックス)は、卓越したラップスキルが魅力の若手ラッパーです。東海エリアを代表し、別名「ヤングトウカイテイオー」としても有名です。
¥ellow Bucksは間違いなく今のヒップホップシーンを代表するラッパーの一人なので、ヒップホップ好きなら絶対に知っておくべき人物。この記事では、ラッパー「¥ellow Bucks」のプロフィールや経歴を深堀りし、代表曲やMCバトルについても紹介します。
¥ellow Bucks(イエローバックス)とは
Yellow Bucksは岐阜県高山市生まれの日本人ラッパーです。ドレッドヘアの髪型と派手なファッションが特徴的で、多くのヘッズを惹きつけます。
15歳の頃からラップを始めており、20代後半という若さですでに合計6枚のアルバムとEPをリリース。ヒップホップの本場であるニューヨークへ音楽留学していた経歴を持っており、現地仕込みの英語の発音と等身大のリアルなリリックが強みのラップスタイルです。
¥ellow Bucksのプロフィール
¥ellow Bucksのプロフィールは以下の通りです。
アーティスト名義 | ¥ellow Bucks(イエロー バックス) |
本名 | 坂口 和(さかぐち わたる) |
生年月日 | 1996年8月5日 |
星座 | しし座 |
身長 | 175cm |
出身地 | 岐阜県高山市 |
最終学歴 | 高校卒業 |
所属レーベル | To The Top Gang |
好きな食べ物 | 漬物ステーキ |
よく聴くラッパー | Fabolous、Rob $tone |
¥ellow Bucksの名前の由来
「¥ellow Bucks」の名前は、頭文字の”Y”が”¥”になっており、かなり特徴的ですよね。
¥ellow Bucksの名前の由来は、
- 「Yellow」は直訳すると”黄色”という意味ですが、黄色人種を表すスラング英語でもあります。
- 「Bucks」は”dollars”(ドル)の代わりに使われるスラング英語で、お金を表します。
つまり、¥ellow Bucksという名前には、日本人としてラップでお金を稼ぐという意味が込められています。Yellowの頭文字を日本円の”¥”にしているのも、日本とお金に対する執着が相当強いことがわかります。
¥ellow Bucksは、もともと「Young Basta(ヤング・バスタ)」という名前で活動していました。地元の岐阜県高山市にて4人組のグループで活動していましたが、解散をきっかけに現在の「¥ellow Bucks」に改名します。仲間からはYoung Bastaの頭文字を取って「YB」と呼ばれていたため、改名後も「YB」は残したいという思いがあったそうです。
¥ellow Bucksの性格
¥ellow Bucksは髪型がドレッドで見た目も派手なので、怖そうな印象を持つ人もいるかも知れませんが、とても暖かい性格で、周りのスタッフへの気遣いもありとても優しいです。
高山市の自然と音楽に囲まれて育った¥ellow Bucksは、自分のことを「田舎生まれで穏やかな性格」だと言っていたこともあり、普段はよく笑っている印象です。
¥ellow Bucksのラップスタイル
¥ellow Bucksのラップスタイルは、独特な韻の踏み方とフロウに加え、本場仕込みの英語の発音とリアルなリリックが特徴的です。
曲作りのこだわりは、曲の4小節目、8小節目、16小節目に、徐々にインパクトを強めていくとのことで、多くのパンチラインも生み出しています。まるで職人のようなこだわりを持つ¥ellow Bucksですが「スタジオに籠っているばかりじゃなく、クラブで遊んでいたり名古屋のローライダー界隈とも交流したりするのも大事」だと語っています。
曲作りだけではなく、いろんな人たちと遊んで交流する、ライフスタイルそのものがヒップホップだと考えており、だからこそ多くのファンが魅力を感じるのかもしれませんね。
好きな食べ物は「漬物ステーキ」
漬物ステーキとは、高山市で愛される郷土料理で、その名のとおり漬物を炒めた食べ物です。
昔から飛騨地方では、漬物を焼いて食べる習慣があるようで、あまり食べ物に興味がないと言っている¥ellow Bucksも、この漬物ステーキは大好きとのこと。ラッパーの漢 a.k.a GAMIのYoutubeチャンネル「漢キッチン」にゲストで出演した際にも、漬物ステーキを作っていましたね。
¥ellow Bucksの交友関係
¥ellow Bucksは、さまざまなラッパーやDJ、プロデューサーとも仲が良く、交友関係が広いです。
特に活動拠点が同じ名古屋であるレジェンドラッパー「AK-69」や、同じく名古屋で活動するヒップホップDJ/プロデューサーの「DJ-RYOW」とは楽曲でもフィーチャリングしており、仲が良いです。
他にも、名古屋のレゲエサウンドである「BANTY FOOT」や、レゲエDeeJayの「RUDEBWOY FACE」とも曲で共演しており、レゲエとのつながりもります。
AK-69
AK-69は、TOKONA-Xとならび名古屋を代表するラッパーです。
その活動は海を越えて、Public Enemy、Kanye West、Fabolousなどのアメリカの伝説的なHIP HOPレーベル「Def Jam Recordings」と契約するほどの実力です。
AK-69は¥ellow Backsの才能をいち早く見抜き、代表曲「Ding Ding Dong〜心の鐘〜」をサンプリングした曲「Bussin’ feat. ¥ellow Bucks」にて¥ellow Backsと共演しています。
DJ-RYOW
DJ-RYOWは名古屋で活動するヒップホップDJ/プロデューサーです。
¥ellow Bucksと同じ岐阜県出身で、AK-69や、ANARCHYなど日本のヒップホップシーンを代表するラッパーたちと多く楽曲を制作しています。
DJ-RYOWとTOKONAーXとの共作「WHO ARE U?」のRemixである「WHO ARE U? 2022 feat. TOKONA-X & ¥ellow Bucks」では、トウカイテイオーのTOKONA-Xと、その意思を継ぐヤングトウカイテイオーの¥ellow Bucksの二人が楽曲上で共演しました。
¥ellow Bucksの経歴
1996年 | 岐阜県高山市で誕生 |
2007年 | 小5の時にAK-69の「Ding Ding Dong」を姉に聞かされヒップホップが好きになる |
2011年 | 15歳くらいの時にラップを始める |
2019年 | 「ラップスタア誕生」シーズン3にて優勝 4月:1st EP「To The Top」をリリース 10月:2nd EP「Excuse Me」をリリース |
2020年 | 5月:3rd EP「Aight」をリリース 8月:1st Album「Jungle」をリリース |
2021年 | 台湾のラッパーØZIとコラボシングル「Go Ahead」をリリース 大麻取締法違反の疑いにて逮捕される(不起訴処分) シングル「I’m Back」にて活動復帰 |
2022年 | 初のワンマンライブ「The Show’ 22」を愛知県国際展示場にて開催 7月:2nd Album「Ride 4 Life」をリリース |
2023年 | 大麻取締法違反の疑いにて、2月に逮捕され懲役6か月執行猶予2年の判決を言い渡される 6月:4th EP「Survive」をリリース |
2024年 | 日韓アーティストによるHIPHOPライブ「GO-AheadZ」の大トリを飾る |
高山市で誕生~少年時代
Yellow Bucksは1996年に岐阜県高山市にて生まれます。
高山市は、飛騨牛をはじめとした絶品グルメや郷土料理である漬物ステーキ、豊かな自然と情緒ある町並みが特徴です。岐阜県出身のラッパーには他にも、「梵頭a.k.a.鷲」や「DAG FORCE」などがいます。
¥ellow Bucksは高山市の自然の中で育ち、自分のことを「穏やかな性格の少年時代だった」と言っていました。習字を習っていたことから綺麗な字を書くのが得意で、「硬筆書写検定6段」と「毛筆書写技能検定7段」を持っています。
スポーツも好きだったことから学校の野球チームに所属しており、野球少年として活躍していたとのことです。
中学時代
¥ellow Bucksは中学に入ってからも野球部に入部しますが、あまり活躍できなかったことから、部活よりも音楽好きの友達との関わりが多くなっていきます。
そして15歳の頃に地元の先輩に影響をうけ「俺にもできそう!」と実際にラップを始めます。友人たちとサイファーをしたり、メールでリリックを送り合ってたとのこと。
時間制限付きでメールの返信ルールを作っていたとのことで、文字とはいえ即興で韻を考える力が身についたのかもしれません。
そして地元の高山市にある「S&S」という服屋で働いていた先輩のシンシアというラッパーに憧れ、同じ高校に進学することに決めました。
高校時代
¥ellow Bucksは高校に入ってからは野球を完全に辞め、ヒップホップ一筋となります。そこから友人たちとYoung Bustaというクルーを作ったり、イベントに遊びに行ったりしながら、ラップスキルを磨いていきます。
Young Bustaは当初は3人組で始めたグループですが、途中でメンバーが1人増え、最終的には4人組で活動します。
人気が右肩上がりに順調なYoung Bustaでしたが、メンバーの入れ替わりが多いこともあり、¥ellow Bucksはグループでの活動に疲れ始めます。
そして高校を卒業する前くらいに「1人でやろう」と決め、Young Bustaから脱退し、アーティスト名を¥ellow Bucksに改名します。
NY時代
¥ellow Bucksへと改名してソロ活動を続けていくなか、19歳で音楽留学を決意します。当時尊敬していたラッパーのシンシアがニューヨークに3ヶ月間行っていたということもあり、自身も単身でニューヨークに渡米することを決めます。
¥ellow Bucks自身も「高山では物足りない」という思いが強かったことから、居酒屋のバイトで貯金した70万円を元手にニューヨークへ向かい、ラッパーとしての経験を積みます。
¥ellow Bucksはニューヨークに滞在中、誰かと曲を作りたいという思いから、目についた若手ラッパー30人ほどにDMを送りました。その中で唯一「このビートに24小節書いてこい」とビートと共に返信をくれたブルックリンのラッパーとは、毎日会うほど仲良くなり、最終的に3つの楽曲を共同で制作します。
もともと「1曲できるだけでも奇跡」だと思っていた¥ellow Bucksは、ニューヨークでの経験について「思ったより結構できてるんじゃない?」と感じ、ラッパーとしての自信を深めるきっかけになったと言っていました。
帰国後〜ラップスタア誕生
音楽留学を経て帰国後、活動拠点を愛知県名古屋市へと移し、音楽活動をさらに本格化させます。
この頃からライブやイベントにもよく呼ばれるようになり、リリースした楽曲のYoutube再生数も増え始めるなど、人気や知名度も順調に上がり続けていきます。
そして¥ellow Bucksは2019年に次世代ラッパー発掘オーディション番組『ラップスタア誕生 – シーズン3』の募集があることを知り、優勝賞金が300万円という金額に魅力を感じ、すぐに応募したそうです。
NYで磨いたスキルと音楽性によって、審査員のAnarchyも絶賛するほどの抜群のラップスキルを披露し、結果は見事に優勝。全国的に名前が広まり、注目を浴びるラッパーになりました。
TOKONA-Xは、東海エリアで活動していたラッパーで、残念ながら2000年に亡くなっています。彼の曲や生き様は、様々なラッパーに影響を与え続け、楽曲のRemixも多く制作されています。
名古屋市千種区には、TOKONA-Xのグラフィティアートも描かれており、2024年には¥ellow Bucksも壁画に追加されました。
MCバトルに出場?
ヒップホップのラッパーとして、¥ellow Bucksは音源やライブをメインに活動しており、MCバトルに出ることはなかなかありません。
しかし2022年に開催されたMCバトルの大会「凱旋MC BATTLE in さいたまスーパーアリーナー」にて、急遽¥ellow BucksがMCバトルを始める出来事がありました。
この大会では、¥ellow Bucksはスペシャルライブゲストとして出演しますが、1回戦の「MU-TON vs ベル」のバトル中に、MU-TONが「¥ellow Bucksのライブがダサかった」とディスります。
当然このディスに黙っていられない¥ellow Bucksは、2回戦の「MU-TON vs CHEHON」が始まる前に乱入し、MU-TON相手に「バトルやろうぜ」とMCバトルを仕掛けます。
普段はバトルに出ない¥ellow Bucksですが、やはりフリースタイルのスキルはかなり高く、ラッパーとしての実力を観客に見せつけます。このバトルに勝敗はつきませんでしたが、¥ellow Bucksは「判定もクソもねえから、言いたいこと言いに来ただけ」とMU-TONと握手を交わし、ステージを避りました。
今後はMCバトルに出場するかはわかりませんが、フリースタイルのバトルでも十分通用するスキルを持っているので、また¥ellow Bucksのバトルを見てみたいですね。
¥ellow Bucksのおすすめの曲
ヤングトウカイテイオー
「ヤングトウカイテイオー」はラップスタアで披露した曲であり、TOKONA-Xの「トウカイ×テイオー」に由来した¥ellow Bucksのデビュー曲です。
「ラップスターはすでにここにいるぜ」の一言から始まるこの曲は、AK-69やM.O.S.A.D.、Phobia、DJ-RYOWの名前も含まれ、東海エリアを代表するラッパーたちへのリスペクトが込められています。
この曲は¥ellow Bucksの1st EP『To The Top』に収録されています。
Yessir feat. Eric.B. Jr.
「Yessir」は¥llow Bucksがインスタライブをしながら作り上げた曲で、ビートのメロディもなんと¥ellow Bucks自身が制作しました。
「Yessir(イエッサー)」というタイトルは、軍隊をイメージしており、リリックのなかにも「カモのカーゴ」など、軍隊をおもわせるキーワードが含まれているのが特徴的です。
この曲は1stアルバムの「Jungle」に収録されており、Youtubeの再生回数はなんと3,800万回を超えるイエローバックスのビッグチューンです。
My Resort
1st Album「Jungle」の華ある1曲目として収録されたこの曲は、リゾート地で過ごしている¥ellow BucksのRichな日常を覗かせてくれます。特徴的なビートと、¥ellow Bucksのライムとフローが、あいまって真夏に聴きたくなる曲です。
この曲は1stアルバムの「Jungle」に収録されており、こちらもYoutubeの再生回数が1,800万回を超えるヒット曲です。
Wow Wow Wow
「Wow Wow Wow」は仲間たちとのいろんな経験をしながら駆け上がってきた日々を、リリックに落とし込んだ自叙伝的な一曲です。キャッチーなHOOK(サビ)を聴けば思わず「Wow Wow Wow」と口ずさんでしまうこと間違いなしです。
この曲は2nd EPの「Excuse Me」に収録されています。
I’m Back
「I’m Back」は、2021年に¥ellow Bucksが大麻取締法違反の疑いにより逮捕された後、活動を再開してすぐにリリースされた曲です。
曲名のとおり「俺は帰ってきたぜ」という意味が込められており、復帰してすぐにかましてくれるのが、¥ellow Bucksのカッコいいスタイルですね。
BANTY FOOT / Light It Up feat. RUDEBWOY FACE & ¥ellow Bucks
「Light It Up」はレゲエサウンドの「BANTY FOOT」からリリースされた、レゲエDeeJayのRUDEBWOY FACEとのコンビ曲です。レゲエのリディムにも¥ellow Bucksのバースが心地よくハマり、Youtubeの再生回数も1,000万回超えの大ヒットチューンです。
関連:【レゲエ×ヒップホップ】DeeJayとラッパーのコンビ曲!音源おすすめ7選
BANTY FOOTのアルバム『#CCC』に収録されており、他にもさまざまなレゲエとヒップホップアーティストのコンビ曲が収録されているので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
¥ellow Bucksは東海エリアを代表する次世代ラッパーです。
NYへの留学やラップスタアでの優勝など、多くの経験を経て成長した¥ellow Bucksは、間違いなく”ヤングトウカイテイオー”の名にふさわしい存在です。
ヒップホップが大好きな思いが非常に強く、将来的には尊敬するAK-69や、TOKONA-Xも所属するアメリカの大手レーベル「Def Jam Recordings」に所属するのが目標とのことです。アメリカでどこまで通用するか試したいとも言っていました。
¥ellow Bucksは今後どこまで昇り続けるのか、これからの活動もぜひチェックしてみてください。
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